第3章 #2

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「とにかく絶対にダメ。遊ばれて捨てられるのが目に見えてるじゃない。」 強く言った私に、彩香はムッと表情をしかめた。 これじゃ、娘を案ずるお母さんじゃない。 ドッと老け込んだ気がする……。 「金持ちのパパに囲って貰って、悠々自適な生活してるヒロに言われたくない。それって結局不倫じゃん。何よ、自分は正当化してうちにはお説教?ありえないんだけど。」 「………………っ」 動揺に肩がピクリと震える。 充血した目で私を睨む彩香に、何も言い返す事の出来ない私は唇を噛み、押し黙った。 「あ……、ヒロ……、ごめんっ……」 「ううん。私の方こそごめん……。」 確かに彩香の言う通りだ。 私に彼女を責める権利なんて無い。
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