デタラメSecretary 第2話

第3章 #2

手前側に配置された黒革のソファに座るなり、私は店の奥に目を逸らした。

騒がしく、混雑したこちらが初回客、その他用ならば向こうは金回りの良い常連客用だろうか。

たっぷり余裕のある広々とした空間で、肩を寄せ合う数組の男女。

たぶん、男の方は上位組。

この見せ付けるような配置が、女の嫉妬心を駆り立て金を落とさせる。

上手く出来てるよ……、本当に。