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二人の会話に私がすかさず口を挟むと、彩香はギョッと目を見開いた。
「ちょっと……、ヒロ!?」
「今日は奢る。泊まらせて貰ってるお礼。それに、私のお金じゃないから気にしないで。」
そのボトル一本の価格はおおよそ90万。
そんな現金、勿論持ち合わせなんかない。
支払いは誠さんのブラックカード。
彼からの着信はとっくに鳴りやみ、一週間前のあの日が最後となっていた。
恐らく、私に見切りをつけたのだろう。
これは手切れ金って事で……
ごめんなさい。許してね……。
心の中で呟いた。
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