第3章 #2

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それでも彩香を嫌いにはなれない。 田舎から出て来たばかりで右も左もわからない私を、彼女は出会った瞬間満面の笑みで受け入れてくれた。 女が生きてゆく術を……、教えてくれた。 「失礼致します。お客様。」 「え……?」 ぼんやりと感傷に浸っていた私に、黒服の男がそう言って頭を下げてから、コソッと耳打ちをした。 「当店の代表がお客様にご挨拶を……と、申しております。ここではなんですので宜しければぜひ、あちらの方へ……。」
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