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黒服に誘われ辿り着いたのは木製の扉の前。
VIPルームだ。
彼が金色のドアノブを掴み回す瞬間、情けない事に私は緊張していた。
「………………っ」
深呼吸する私の視界を、シャンデリアのギラギラ眩しい光が徐々に徐々に明るくし、
重厚感ある赤いカーペットの上、部屋の中央。
カウチソファに足を組んで座る黒ジャケットの男が顔をゆっくり上げ……、
「ほらね?また……、会えたでしょ。」
クスリと、その口角を緩め笑った。
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