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「……突っ立ってないで座ったら?」
その沈黙を破ったのは、淡々とした陵の声とワインのコルクを抜いた音。
テーブルの上、色とりどりのフルーツが盛られたガラス器の横、二つ並んだグラスにトクトクと赤ワインが注がれてゆく。
第一声で肩透かしを食らった私は、その光景を茫然と眺めていた。
「そんなに、警戒しなくもいいよ。」
「………………っ」
もどかしい思いを抱えたまま、陵との間に十分な距離を空けてソファに腰を下ろした。
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