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「そりゃあ……、こっちも痛いよ。問題児だろうと健吾はウチのナンバー……、損得でいうならむしろマイナスだ。」
「………………っ」
突然、陵の目付きが変わった。
ソッとワイングラスをテーブルに置き、私との距離を縮め……言葉を付け足す。
「ここから先は……、察しの良いヒロなら。言わなくてもわかるだろ?」
彼の指先が、私の頬を掠め……
流れるようにうなじのラインをなぞった。
「っ……最初からそのつもりだったの……」
「……俺もこんなの初めてだよ。一目見ただけで……お前が欲しいと思った。なぁ……、ヒロ。」
私の耳元、低い声で囁かれた言葉は
「一目惚れって……、信じるか」
彼らの常套句。
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