第7章

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列の最後尾、この中でも一番の年配者と見受けられる男性がズズイと結城恭哉の前に躍り出た。 ……この人だけ雰囲気が少し違う。 使用人頭ってとこ? 「お帰りなさいませ。恭哉坊っちゃん。少し見ない間にまた逞しくなられたようで。私も嬉しい限りです……。」 「ああ……。わかった、わかった。」 胸ポケットからハンカチを取り出した男性が涙を拭く素振りを見せると、 結城恭哉は煩わし気に眉を潜めた後、男性の肩をポンポンっと叩き嗜めた。 「はて……。そちらの女性は?」
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