209人が本棚に入れています
本棚に追加
「んな、怖い顔で睨むなよ。アンタって被害妄想激しいのな。褒めてんだから素直に喜んだら?」
「そんな見え見えな嘘に騙されないわよ。どうせ、内心人の事小バカにしてんでしょ?」
「……いいや。これは本当。相手に悪い印象を与えない。それって生まれ持った才能だろ。俺はまず始めに警戒されるタイプだから……正直羨ましいかも」
そう言って、結城恭哉が私を真っ直ぐに見つめた。
「…………っ」
翳りの無い清みきった瞳に捉えられ、私は不覚にも頬をほのかに火照らせ俯いた。
こんなの……結城恭哉らしくない。
私らしくない。
最初のコメントを投稿しよう!