第7章

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「んな、怖い顔で睨むなよ。アンタって被害妄想激しいのな。褒めてんだから素直に喜んだら?」 「そんな見え見えな嘘に騙されないわよ。どうせ、内心人の事小バカにしてんでしょ?」 「……いいや。これは本当。相手に悪い印象を与えない。それって生まれ持った才能だろ。俺はまず始めに警戒されるタイプだから……正直羨ましいかも」 そう言って、結城恭哉が私を真っ直ぐに見つめた。 「…………っ」 翳りの無い清みきった瞳に捉えられ、私は不覚にも頬をほのかに火照らせ俯いた。 こんなの……結城恭哉らしくない。 私らしくない。
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