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──コン、コン
左右に三つずつ並んだ木製の扉。
その一番右奥の扉を二回軽くノックした結城恭哉が、室内に向かって小さく声を掛ける。
「レオ。いいか?」
「OKよ」
なんともあっさりとした返事だったが、私はどことなく違和を感じていた。
イントネーションが引っ掛かるというか、訛り……?
それに、男性とも女性とも取れるような中性的な声。
「ほら。早く来い」
その不自然さに首を捻る私を、先に部屋に入った結城恭哉が扉を押さえながら待っている。
ここまで来て怖じ気づいたりはしない。
今日はこういう日なのだ
諦めよう。
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