第7章

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──コン、コン 左右に三つずつ並んだ木製の扉。 その一番右奥の扉を二回軽くノックした結城恭哉が、室内に向かって小さく声を掛ける。 「レオ。いいか?」 「OKよ」 なんともあっさりとした返事だったが、私はどことなく違和を感じていた。 イントネーションが引っ掛かるというか、訛り……? それに、男性とも女性とも取れるような中性的な声。 「ほら。早く来い」 その不自然さに首を捻る私を、先に部屋に入った結城恭哉が扉を押さえながら待っている。 ここまで来て怖じ気づいたりはしない。 今日はこういう日なのだ 諦めよう。
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