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第9章 #2
モゴモゴと口ごもる蒼井がシートベルトを装着したのを確認してから、車を発進させる。
人前じゃあ馴れ馴れしく“恭哉さん”なんて、呼ぶくせに
俺の前ではこの通り。
可愛げの無い素の蒼井陽路に戻るんだから、可笑しくて笑える。
「アレ……、忘れたのか?」
「ん?ああ……、ちゃんと持って来たわよ。度が入ってないとはいえ慣れてないせいかな……。最近、耳の所が疲れちゃって」
「へぇ……」
「もう少し興味を持ちなさいよ!」
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