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全面窓ガラスの向こう、せめぎ合うようにオフィスビルが並んでいる。
いくらこの場所が、他より頭一つ抜け出た高層階だとはいえ……
誰かに見られているかもしれない。
そんな羞恥は拭えない。
「ふっ……。恭哉も馬鹿だな……。こんなもので君の美しさが隠せると思ったのか」
カチャリ……と、音を立て外された眼鏡。
誠さんは妖艶に微笑み私の額にキスを落とした。
なんの隔たりもなくなった途端、気持ちが一瞬揺らぎかける。
たかが眼鏡、されど眼鏡。
その差は大きいのだと知る。
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