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第10章 #2
「副社長が今日の昼食は中華が良いとおっしゃっている。専務からそう聞いてすぐに注文したんですが……実際は副社長、辛いものダメだったらしくて……。」
「子供みたいな嫌がらせね……」
「でも、僕が悪かったんです。前もってリサーチをしていなかった。秘書として……、まだまだ勉強不足ですねっ」
刷り上がった用紙を数枚重ねて、志摩くんがデスクに再び座った。
ニコッと笑うその顔は、疲れの色なんか微塵も見せない。
むしろ、やる気で満ちている。
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