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「そもそも。どうして、専務は私達にばかり嫌がらせするのよ。新人の叩き上げ?」
志摩くんに向けていた視線を、再び恭哉に戻す。
「まさか。そんな親心……あの男が持っているはずないだろ?」
「……それ、実の息子が言う?」
呆れ口調で返した私に、恭哉はフッと目を細めて笑った。
「……そうだよな」
その遠い眼差しは、私を通り過ぎ、志摩くんの後ろ、夜のビジネス街へと落とされていた。
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