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────ピピ、ピピ……ピピピピ!!
「…………うるせっ……」
けたたましい電子音が脳内を直接刺激する。いつものように、サイドテーブルの上を手探りでさ迷ってみるが音の元が見当たらない。
後、五分だけ……と、甘えたくなる気持ちに鞭を打って、気合いと根性で目を開けた。
微睡む視界に飛び込んだのは小さなアラーム時計。俺の鼻先に寄り添うようにして小刻みに震えていた。
添い寝のお供が目覚まし時計……?
女じゃなくて?
「ふはっ……」
馬鹿馬鹿しさに笑いが漏れて一気に目が覚める。背伸びを一つして、改めて時間を確認してみると七時。
蒼井の姿はどこにも見当たらなかった。
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