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熱めに設定したシャワーを浴びている内に、徐々に甦る昨夜の記憶。排水溝に吸い込まれていく水に目を落としながら、思わず顔が綻んだ。
『恭哉……』
蒼井は何度も何度も……、俺の腕の中でその名前を呼んだ。時には熱にうなされ悶えるように、時には恥じらう淑女のように。
勝ち気で男勝りな彼女は、事もあろうにベッドの中では従順でしおらしく。そのギャップが合間ってか……、こっちも抑制が利かなかった。
副社長が蒼井を手放せずにいた理由がわかるっていうか、まんまと罠にハマってしまった感が否めない。
そんなことを考えている今だって
「……どうすんだよ……」
男特有の諸事情に頭を悩ませているのだから。
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