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重なる肌の温もり、プラス心。
クスッと優しく笑った恭哉からの口付けは、とろけてしまいそうな柔らかさ。甘くて心地良い。このまま時間よ止まれ。……強く、そう願った。
「……もう、一回したい」
「ちょっ……と……、どこ触って……」
甘い甘い口付けは回数を重ねる毎に色濃くなってゆく。体力は限界を越えているはずなのに……、トロンと潤む恭哉の眼差しから目を逸らす事は出来なかった。
「…………んっ……あ……」
案の定、私の身体は彼自身をいとも簡単に受け入れた。枯渇を知らない湖。水をすくい上げられる度に、私は淫らな声を漏らす。
───リン、リン、リン……
不定期に響く鈴の音色が、聴覚を刺激する。私は発情期の猫。そんなシチュエーションに全身にまた熱が帯びる。
「陽路……。最高に可愛い」
「……やめ、てよっ……!」
思ってもないくせに、こんな時だけ……ズルい───
「言っとくけど、先に煽ったのそっちだから。俺をこんな風にさせる……アンタが悪い」
「っ……!?や……だめっ…………!」
より、深くを求める恭哉の体重が重く私にのし掛かる。意識を手放してしまいそうな程の快楽。互いの熱に曇る視界、キッと奴を睨み付ければ……
「気持ちいいの間違いだろ?」
「この……変態っ……!!」
「ハッ……、どっちが」
愉快そうに笑うその顔。殺意が湧いた。
憎しみと愛情は紙一重。
初めての恋に堕ちたばかりの私に……、この先の未来は予測不可能だ───
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