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───『本日は結城リゾート本社勤務。広報担当の蒼井さんにお越し頂きました。どうぞ、よろしくお願いします』
『宜しくお願い致します』
『さっそくなんですが、蒼井さん。来年の四月にリニューアルオープンされるという目黒区のホテル。実際、どの辺りが新しくなるんでしょうか?』
『はい。この度、結城リゾート目黒では“上質、かつゆとりのあるプライベート空間”をテーマに外装、内装共に一新致しました。世界的に有名な家具メーカーreversensとの協力の元、各部屋には滝 大五郎先生デザインのインテリアが……』────
厚手のコートが手離せなくなった十二月、
社員食堂の中央、大画面のテレビには先日、都内の某局のスタジオで収録したばかりの映像が流れていた。
キャスターの質問に流暢に答える私は、黒の地味なスーツを身に纏いながらにこやかな表情。
「上出来、上出来。」
ウンウンと、自画自賛に頷きながら私は海藻サラダに再び箸を伸ばした。周囲からの視線はもう気にならない。慣れているから。
「何が上出来だ。この、エロ広報が」
「ぐっ……!?」
正面の席に座る恭哉が、苦虫を噛み潰したような顔で毒づく。思ってもみなかった酷評。危うく食事を喉に詰まらせる所だった。
「ちょっと!品の無い言い方やめてくれない?大人の色気とエレガントさを兼ね備え、なおかつ知的要素も十分。これ以上の人材が彼女以外、他にいるかしら?」
「そんなパーフェクトな人間がなんでガーターベルトなんだよ。うちのイメージがた落ちじゃねぇか」
「そ、それは……プロデューサーの人に『足からのパーンが欲しい』って言われたから仕方無くよ……」
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