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「でも、私は…ここで…
ここまで育ててくれたこの場所で…」
ずっと一研究者として…。
いろいろな感情が入り交じって、上手く言葉にできない。
それほど、私にとってこの研究センターは特別なのだ。
「ここで何ができる?」
適当な言葉が思い浮かばず、何も言えずに俯いていると、センター長は口を開いた。
咄嗟にセンター長を見上げる。
「ここは上(本社)から企画された薬品の開発を目指すところだ。
言わば、指示通りに動くだけの部門としかいえない」
「でも、それは…!」
「君の言いたいことはわかる。
僕らの部門は患者さんへ薬が渡るまでのプロセスで外せない部門。
しかし現にルーチン化している点は否めない。
上から来た仕事を引き受け、完了したと思えばまた別の案件。
同じ畑の中で言われた仕事をぐるぐる繰返し行っているだけだ。
そんな小さな世界で、君は満足できるのか?」
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