6人が本棚に入れています
本棚に追加
でも、僕の予想に反して、この人は、
僕の本当の姿を見ようとしてくる。
どうして、この人には効かないのだろうか?
自分が身に付けてきた
偽りの技術、全てを持っても危うい。
このままでは、完全に偶像を壊され、
自分の知らない姿まで知られてしまう。
どうすれば良いのだろうか?
僕は――。
「……クン、ヨ…ン、依利君」
「はい」
「どうしたの、ボーッとして。
分からないところあった」
「いえ、何でもないです」
自室で勉強中なのを忘れていた。
今は、考えてる暇はない。
「そう、大丈夫なら良いけど」
気を抜くと偽れなくなる。
集中しないと……。
最初のコメントを投稿しよう!