雛鳥の罪、雛鳥の罰

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「そ…んな…あさひ…」 変わり果てた妻の姿を見て、夫の美鶴(みつる)はその場に膝をついた 兄の梟と姉と鷲は泣き叫びながらあさひの眠るベッドにすがりついた 遺体の顔を見る事は出来なかった 見たところで、判別はつかないだろう それほど酷い有り様だったからだ 「すみませんでした! 我が社の不手際で、皆様の家族を…!」 そう言って土下座したのはトラックの運転手だった 取り返しのつかない事をしたと床に額を付け、涙ながらに謝罪する彼に鷲は首を横にふる 「違いますよ…あなたは悪くない…」 そう言って鷲は雛に近づき、その頬を思いきり叩く パァン!と乾いた音が部屋に響いた 「雛、アンタのせいよ! …アンタのせいでお母さんは死んじゃったのよ!」 「ごめんなさい、ごめんなさい…」 雛は叩かれた頬に触れ、涙を流した 「雛、お母さんは 本当に助からなかったの? どうしようもなかったの?」 小さく頷く雛に梟は消えそうな声でそうか、と呟いた 「お、お母さん、皆に伝えてって言ってた!」 雛は胸元を握りしめ、涙ながらに家族を見る 「伝言?……何て言ったの?」 「私がいなくても、強く生きてね…って」 バシッ! 次に雛の頬を叩いたのは、父親の美鶴だった
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