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冷静に考えればわかる事なのに、一時の感情で妹を傷付けた
(こんなに血が出てるのにトレーニングしてたのは、努力が足りないって思ったから…?)
梟と鷲は雛の手の包帯を取り替えた時、彼女の手の有り様に息を呑んだ
彼女の手の平は大量のマメが潰れ固まり、ガチガチだった
そんな手の平の中心は抉れており、血が溢れ出していた
「雛…!」
気づかなかった
妹がそれほど努力していた事に
いつも身長があるのに怠けて才能を生かさない子、とすら思っていた妹はちゃんと努力していた
そんな妹の気持ちも汲まず、妹はどれほど傷ついただろうか
「朝、起きたら…お父さんにも説明して雛に謝ろう」
「そうね…
私達勘違いしてたみたい…
おやすみ、雛」
鷲と梟は雛をベッドに寝かせ、部屋を出た
その頃、美鶴は家族写真を見ながら頭を抱えていた
「あさひ、あさひ…!
何故…!」
美鶴はあさひを心の底から愛していた
子供達も同じくらい愛していた
最愛の妻が死に、愛する娘が生き残った
しかも娘が妻を見殺しにした形で
「いや、ちがう…雛は悪くないんだ…」
頭ではわかっている
たが、心は拒絶していた
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