雛鳥の罪、雛鳥の罰

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美鶴は梟の肩を叩く 「梟、お前はもう高校生だろう あさひは事故で車に挟まれた 雛は助けようとした でも二人共爆発に巻き込まれて死んだ …残酷だが、現実を受け止めてくれ」 「違う! 現実受け止めてないのは父さんだ!」 雛は二人のやりとりを聴き、その場に座り込んだ 父は母を心から愛していた、自分達も一緒だろう 妻を見捨て生き残った娘が殺したいほど憎い だが、それでも愛する娘だ どう罰せばいいのか どう許せばいいのか どう接せばいいのか 考えた末、美鶴は壊れてしまった そして壊れた末、生き残った娘も死んだように扱った 美談にして死んだ事にすれば憎まなくてすむ、二人共死んだのなら仕方ない 美鶴の瞳に、雛は写らなくなった 「そんな…そんな事って…!」 「仕方ないよ、お姉ちゃん 私が悪いんだもん」 鷲は雛の発言に驚き雛を見る 「これが正解なんだよ」 「ひ、な…?」 雛は泣きそうな顔で微笑んでいた 鷲はその時ある考えがよぎった 先程雛が謝罪したのは、美鶴の心が壊れた事ではないのか? 察しの良い妹は父親の変化にいち早く気付いたのではないか? それを、妹は受け止める気なのだ 自分への罰として そう理解した鷲はその場で泣き崩れた
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