雛鳥の罪、雛鳥の罰

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「雛、ここは危ないから先に逃げなさい」 「やだ、お母さんを助けないと」 雛はふるふると首を横にふる 「お母さんは大丈夫 …雛がいると出られないのよ、だから…」 「じゃあなんでそんな泣きそうな顔してるの?」 雛の言葉にあさひは彼女が嘘を見抜く事に長けているのを思い出した (それでも、この子だけは……) 雛の後ろのガラスから救急隊員が走って来るのが目に入った 「ねぇ、雛 これから辛い事が沢山あるかもしれないけど、大丈夫よ きっと、いや絶対…あなたの事守ってくれる人が現れるわ」 「お母さん…?やだよ、そんな事言わないで!」 あさひの口から血が流れ出す タイムリミットは近そうだ 「雛、最後に伝言お願いね お父さんと梟と鷲に、『私がいなくても強く生きて』って…もちろん雛もね」 その時後ろの座席のドアが開き、救助隊の人間が入ってきた 「大丈夫ですか!?」 「お母さんを助けて下さい! 血を沢山出てるんです!」 雛の言葉に男性は運転席を見るが、あさひの出血と本人の無言の拒否に全てを察した 「…まずはこの子から救出します」 「お願いします…」
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