雛鳥の罪、雛鳥の罰

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男性の隊員は雛を抱えて車を脱出する 「離して!お母さんが…っ」 「雛」 雛があさひに視線を向ける あさひは雛に小さく手を振っていたた 「元気でね」 いつもと同じ、全てを包み込むような母の笑みだった そしてそれが、雛の見た母の最後の姿 「ここで待ってて、君のお母さんも助けてくるから!」 隊員は雛を待機していた救急車に乗せ、再び事故現場に向かった 「待て、戻るな屋内! 危険だ!」 「もう一人、残っているんです!」 上司の男性は青年隊員の腕を強く掴む 「ダメだ! ガソリンが漏れているんだぞ! 死ぬ気か!?」 屋内と呼ばれた青年隊員は止める上司の手を振り切り、走った 「戻れ!屋内拓斗(たくと)ぉ!」 車まであと数m、そこで拓斗はあさひが悲痛な表情で何かを言おうとしているのに気付いた (何だ?何を言おうとしている?) 拓斗は近づきつつ、その小さな声を聞き取ろうとしていた ドォ…ン その数秒後、あさひの車とトラックは爆発し炎上した 「あ、あ…」 雛はあさひと共に炎上し続ける車をただ呆然と見ていた
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