見つけてほしい

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   今日、いつもの時間にいつものコーヒーショップで私は陸人を待っていた。  そして陸人が来ると他愛の無い話をしながら、それでも付き合いだしたのかな・・・?と思えるような雰囲気の中で、「渡したい物があるから、目を瞑って」と言われた。  私がきょとんとして陸人の顔を見ていると、「ちょっと懺悔するから、目ぇ瞑れって」ともう1度言われて慌てて目を瞑った。  でも、懺悔って・・・? 「俺さ、初めて美鈴を見かけたのは、美鈴がパスケースを落とした日じゃないんだ。それより1週間くらい前かな?やっぱりこの店の前で、知らない婆ちゃんに道を聞かれていただろ?」  ああ・・・そんなことがあったような気がする。ニコニコと道を聞かれても、上京したばかりで詳しくないから困ったっけ。 「美鈴は道にまだ詳しくなかったのに、その婆ちゃんと一緒にここのコーヒーショップの店員さんに地図を見せて道を聞いてあげて、すごく親切にしていた」 「見ていたんだ。なんか、恥ずかしい」  私は思わず目を開けそうになって「まだ目ぇ開けんな」って言われて、慌ててまた目にギュッと力を入れた。 「そんな、人がいい美鈴だから・・・俺は利用しようと思っていたのかもしれない」 「利用・・・?」 「ごめん・・・。実際に話して、俺はやっぱり美鈴を利用することばかり考えていたと思う。でも・・・昨日、キミに“好きかも”って言われて・・・俺も自分が美鈴に惹かれていたことを自覚した」  利用って・・・何だろう・・・? 「美鈴、俺は本当にキミを好きだよ」  そう言って、私の手の中に箱のような物を握らせた。  目を開けようとしたら、私の唇に陸人の唇が軽く触れた。
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