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エレベーターが3階に着くと、私はどっちの角部屋かな・・・?と考えた。
とりあえず、近かった301号室に行って鍵を合わせてみた。無事に開いてホッとした。
これで違って住人と鉢合わせしたら、気まずいを通り越して犯罪者になるかも。そう考えて苦笑した。
ドアを開けると真っ暗で、生ゴミを出していないのか少し部屋の中が匂った。
ちょっと嫌だな・・・と思ったけど、中に入ると綺麗に掃除されてはいた。
「陸人?いないの?無事に辿り着けたよ」
私が電気を点けるとワンルームの中が見えて、黒が基調の部屋のインテリアが見えて陸人はローテーブルの所に背を向けて座っているようだった。やっぱり何だか臭かった。
「なんか、ゴミ捨て忘れていない?」
無言の陸人を変に思いながら靴を脱いで上がると、黒いローテーブルの上に顔を伏せている陸人の背中を軽く叩いた。
「寝ているの・・・?」
そう聞いてみたけど、陸人の背中がやけに硬く、悪臭は陸人から漂ってきていることに気付いて、私は後ずさりをした。
後ろから見ている限りでも、さっきまで一緒にいたはずの陸人と同じ服を着て、同じ髪型で同じ背格好のこの人は・・・生きてはいなかった・・・。
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