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「陸、この場合は『看病』」
「ああ、そっかぁ」
・・・
どこまでもマイペースな会話に、内心俺は溜め息を吐いた。
「陽ちゃんのことは好きだけど、私達が発見された時のシュチュエーションとか考えると、どんな因果関係があるかは分からないからね。
迂闊なことはできないわ」
「そういうコト」
こちらの意図はきちんと捉えているらしく、陸は珍しくおどけた様子もなく呟く。
どう反応したらいいのか分からない俺達に構わず、空は欠伸をもらした。
「悪い、もう限界。
リビングにいるから、十分経ったら起こして」
「了解~」
陸の言葉を合図に、空は席を立つ。
「・・・名前のついた関係がなくても、自分の証を体に刻むことができなくても、私達はお互いにとって『特別』だからそれでいいんじゃない?」
空がいなくなった後のキッチンで、陸は静かにそう呟いた。
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