第2章

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目が合って少しうろたえた顔になった博雅が、 そのまま無言で庭に降りた。 「また笛を聞かせてくれるか」 背後から声がして、 踏み出しかけた足が止まる。 「……そのうちに」 少し逡巡したあと、 博雅が振り向かずに答えた。 烏帽子を直しながら晴明が簀子に出てくる。 博雅の背中を無言で見送る春花を、 晴明もまた無言で見詰めていた。 了
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