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腑に落ちない顔をする博雅に、
晴明が言う。
「つまりだ。
あの形をとったのには、
春花自身の意思が入っているという事さ」
「では戻るには……」
「春花がそうと望めば、
あるいは」
黙り込んでしまった博雅を晴明が横目で見る。
「……そんなに気になるか」
「寄る辺ない童(わらべ)のようで……知らない世界に来て、
勝手の違う身体に入って」
「人間の考えで人間でないものを量るのは危険だぞ」
「分かってる」
真面目な面持ちで、
博雅が言う。
……分かってないさ、
お前は。
晴明が内心で呟いた。
話が止まったのを見計らったように、
先ほどの式が酒と肴を運んできた。
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