第2章

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博雅はそのまま寝顔を見つめていた。 一夜明けて。 白々と明るんできた空に、 春花は目を覚ました。 「……目が覚めたか?」 優しい声を見上げると覗き込んでくるのは鳶色の瞳。 無言で春花は博雅の膝から身体を起こすと、 すいと立ち上がった。 振り返りもせずそのまま部屋を出て行く。 博雅が唖然として見送った。 「……!」 立ち上がろうとして、 足の感覚が全く無くなっている事に気づく。 少したって、 晴明が部屋を覗きにきた。 座ったままの博雅を見て目を丸くする。 「晴明!」 助かったとばかりに博雅が呼びかける。 「助けてくれ。 足の感覚がない」 「まさかと思うが……一晩中膝枕か?」 博雅の顔を見れば、 答えは明らか。
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