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博雅はそのまま寝顔を見つめていた。
一夜明けて。
白々と明るんできた空に、
春花は目を覚ました。
「……目が覚めたか?」
優しい声を見上げると覗き込んでくるのは鳶色の瞳。
無言で春花は博雅の膝から身体を起こすと、
すいと立ち上がった。
振り返りもせずそのまま部屋を出て行く。
博雅が唖然として見送った。
「……!」
立ち上がろうとして、
足の感覚が全く無くなっている事に気づく。
少したって、
晴明が部屋を覗きにきた。
座ったままの博雅を見て目を丸くする。
「晴明!」
助かったとばかりに博雅が呼びかける。
「助けてくれ。
足の感覚がない」
「まさかと思うが……一晩中膝枕か?」
博雅の顔を見れば、
答えは明らか。
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