第2章

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博雅を座らせて、 その足を伸ばしてやる。 「……やめ……っ触るなっ!」 博雅が悲鳴を上げた。 「血行を良くしたほうが早く直る。 最初は辛いがすこしがまんしろ」 晴明が指貫の上から足をゆっくりとさすりはじめた。 「!……や……あぁっ」 博雅が身を捩る。 「やめろっ」 抗って胸を叩いてくる腕を捉えて、 晴明が自分の背に回す。 「く……ッ、 ぅんん……」 晴明の背にしがみついた博雅が、 痺れた足にはしる感覚に耐える。 熱い息を耳元で吐かれて、 晴明はなにかイケナイことをしている気分になった。 ……けっこうクルな、 これは。
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