第2章

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「もう……やめろっ」 「なぜ?お前の為にやってるのに」 しれっとした顔で言う晴明を博雅が睨みつけた。 「……ッあ、 あ」 足をさする手に力をこめられて、 博雅が大きく喘いだ。 「……博雅」 その手がゆっくりと上に登ってきて膝頭を撫で上げる。 博雅の目元に朱が刷かれた。 次の瞬間。 どんがらがっしゃん!と派手な音がして。 真っ赤な顔をして広縁に勢いよく出てきたのは、 博雅。 背後では几帳ごと蹴飛ばされた晴明が倒れている。 博雅の足元が今ひとつ定まらないのは、 まだ足の痺れが完全にはとれていないかららしい。 朝露のきらめく庭に向かって、 膝を抱えた春花が簀子に座り込んでいた。 足音も荒く出てきた博雅を見上げる。
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