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目が合って少しうろたえた顔になった博雅が、
そのまま無言で庭に降りた。
「また笛を聞かせてくれるか」
背後から声がして、
踏み出しかけた足が止まる。
「……そのうちに」
少し逡巡したあと、
博雅が振り向かずに答えた。
烏帽子を直しながら晴明が簀子に出てくる。
博雅の背中を無言で見送る春花を、
晴明もまた無言で見詰めていた。
了
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