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一瞬過ぎった嫌な答え
それを頭を振って吹き飛ばす
そんなはずない…あいつに限ってそんな簡単に……
しかし、よく聞く話しでもある
共に社会人になって
すれ違いから別れに繋がる事例が
人間とは嫌な生き物だ
良い所はなかなか見つけられない癖に
嫌な所にはすぐ目が行く
血の気が引いて来た俺は慌ててスマホを拾い上げ
メッセージの続きを書き殴った
昨日は突然ごめん
自分でもなんであんなタイミングで言ったんだろうって後悔してるんだけど、謝るよ
本当にごめん
君を傷つけるつもりは全く無いんだ
俺も酔ってて、また余計な事言ってたかもしれないけど、それは違うからっ!!
1度会って話さないか?
よし、とりあえずこれでよしっ……
一先ず俺は着替える為ソファーから立ち上がった
何でこんな飲むかなぁ~、昨日の俺っ!!……酔ってたじゃ済まされないってのっ!!………本当何言ったんだっ!!……
洗面台へと続く廊下を歩く
1歩踏み出す度に自分が嫌になる
その時だ
ふと背後からの気配に立ち止まった
振り返ろうとした時
尖った物を背中に押し当てられる
「動くな……」
低い声でそう聞こえてきた
誰だ……こいつ……
その時視界に写ったのは玄関
………鍵空いてる……
下がったはずの血の気が更に低くなる
彼女が怒って出て行ったのなら、鍵なんか掛けるはずもない……でも、このマンションはセキュリティも万全なはずだ……いや、どこかで暗証番号を知って、玄関から堂々と入って来たら………なんだよこのパニック映画みたいな状況はっ……
考えを巡らせるも
現状を打開できる案はそう簡単に出ない
物盗りの最中、たまたま俺の目が覚めて……逃げられなくなった犯人が強行作に……
また嫌な癖だ
どんどん悪い方に考えてしまう
その刹那
トンッと背後から身体を押し当てられた
あっ……ダメだ……
腰に伝わる暖かい感覚
不思議と痛みは無い
俺はこのまま死ぬのか………なんで……嫌だ……まだあいつと仲直りしてないんだ………死にたくない、死にたくない……死にたく……
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