悩みは尽きない

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辺りが急に暗くなってきた。この星の自転の関係上、一日に三分ほど真っ暗な闇に包まれて激しい雨が降り注ぐ。特に驚くわけでもなく二人は無言のまま雨が止むのを待っている。仮に話していたとしても何も聞き取れないくらいの激しい雨音がビーチパラソルを打ち鳴らした。他にも周囲は砂を弾く音、海に侵入する音が鳴り響いている。 やがてその沢山の雨音が自分の体中を巡り、全ての細胞が活性化してくるような錯覚を覚える時、雨が止んだ。まだ薄暗い闇の中で二人は何事も無かったかのように雑談を再開した。男Bから口を開き熱心に語り始めた。 「最近、巷にはどうしたら失敗するかという自己堕落本で溢れているよ。夢を叶えない方法を書いた本がたくさん書店に並んでいるけど、みんな成功してばかり。たまに失敗する人がいても本当に本のお陰なのかも怪しいものだ。結局、自分で考えるしかないんだ。」
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