むじなの涙

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〔供述調書〕その一 私は超難関の高校を一年で中途退学し バスガイド、飲食店や喫茶店のアルバイトをし その後、悪い大人に拐われて遊郭に沈められました。 私が十九才の頃、客として来ていたきつねと知り合いました。 当時、きつねは紳士服製造業をしていると言っていました。 私を気に入ってくれ毎日のように来て私を指名してくれました。 きつねは、午後六時から午前零時まで借りきってくれ、その間 店から私を連れ出し ボーリングや映画やゲームセンターやパチンコやカラオケスナック等 私が行ったことがなかった所に連れて行ってくれたり、高級ラブホテルに連れて行ってくれたりしていました。 当時、一回私を借りきれば一時間一万五千円位でしたので六時間として、それだけでも九万円かかります。 その上に私をあちらこちらに連れて行ってくれたお金も全て出してくれていましたから、相当な額のお金を遣ってくれていました。 このようなことが半年、続きました。
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