今までの道

3/10
146人が本棚に入れています
本棚に追加
/741ページ
私は孤児だ 正確には孤児になった、だ 父は私が産まれてすぐに、母は私が物心つく前に他界した そこで私は孤児院に預けられた 孤児院は悪くなかった 良くも悪くも普通だった だが九つの時、遊びに出た先で誘拐された 叫ぶ間も、抵抗する間もなく、何かを嗅がされ眠ってしまった 起きた時には牢屋に入れられていて、魔法封じの首輪が嵌められていた 周りには私と同じように攫われた人がいて、一部の女性や子供は泣いていたり、聖職者の人は祈っているようだった そのうちに、一人の十代半頃の女の人が牢屋に入れられた その人が起きると現状把握のための質問と、何故か"出たいか"と聞いてきた 首輪がされてないという事は、魔力量が少なく、戦いには全く向かない人 私は、最初から諦め、冷めた目でその光景を見ていた  
/741ページ

最初のコメントを投稿しよう!