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みんな死に物狂いで河原を走る
ドラゴンの恐怖のあまり、他の人を気遣う余裕なんてなかった
そんな中、更に恐怖が訪れた
マッドウルフだ
森の方から飛び出して来て、私達に襲いかかった
一人やられると、パニックは拡大した
走るのに邪魔だと思ったのか、武器を投げ捨て、マッドウルフに背を向けて逃げはじめた人もいた
脅威が更に減り、マッドウルフの行動に迷いがなくなった
一人また一人と噛みつかれ、捕食されて、減っていく
ふと振り向いた拍子に、手を繋いだ仲のいい二人が見えた
片方にマッドウルフが食らい付いていた
仲がいいので助けると思っていたが、噛みつかれた方を蹴りつけ、引き剥がしていた
シスターの人が、弱いから仕方ないと言った
私はそれだけで、人は人を見捨てられるのか、と悲しかった
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