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彼女が来てくれて、残った私達は助かった
安堵した
だが、彼女はこう言って学徒である女の人を蹴り飛ばして言った
仲間を見捨てた私達に助ける価値はない
傷ついた仲間を引っ張っていったマッドウルフの方に助ける価値がある、と
その通りだと、私は嫌われたのだと思いながら、彼女に話しかけた
だが彼女の反応は予想に反するものだった
言ってしまえば、後悔してるなら強くなれ
助けたいなら強くなれ
彼女は人に絶望し、それでも希望を持ちたい
だから、私に強くなれと言ったのだろう
しばらく歩き、さらに一晩 野宿し、街に着いた所で彼女と別れた
次に会ったのは病院のベッド上で、大丈夫とわかるなり去っていった
数日後に彼女の見送りをして、それから一年ほど会う事はなかった
付いていかなかったのは、強くなるためだ
彼女からしても、私は守る対象で、守られてばかりでは強くなれない
お互いにそう判断した
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