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「ねえ、日向さん、どうしてるの?」
普段、日向さんの話題は極力しない佑樹が、聞いてきた。
「珍しいなぁ。どういう風の吹き回しだ、佑樹。」
「うん。最近さ、早川さんが、ウキウキしっぱなしでさ。確か、日向さんにアプローチ掛けて、付き合い始めていたよね、彼女。」
「順風満帆みたいだぞ。なんせ日向さんは、今や早川なしじゃ、駄目みたいだ。」
「そうなの?!」
日向さんの動向を思い出して笑ってしまう。
「あいつの頭の中は、今、お花畑なんだよ。早川の方が、先に惚れて、付き合ってくれって言ったのに、今じゃ、日向さんの方が熱を上げてる感じだな。
歳下で自分を慕ってくれる早川が、可愛くて仕方ないんだとさ。尽くされる前に、尽くしてるな、あれは。」
「早川さんに尽くす、日向さんか。確かに、笑えるかも。イメージと全然、真逆だもんね。」
「そうだろう。」
日向さんが、早川と付き合い始めたことで、私とのことを完全に吹っ切ってくれたみたいで、ちょっとホットしてるところもあるんだ。
私の妊娠がわかってからは、仕事で、いろいろ気を使ってくれてる。そのかわりといってはなんだが、早川との繋ぎに、私達夫婦は、使われてる感じがする。まあ、それが、別に負担になってるわけでもないしな。それくらいはしてあげようと思ったんだ。
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