273人が本棚に入れています
本棚に追加
「美味いなぁ。夏蓮の作る料理は、いつも美味いよ。夏蓮が、料理の出来る女性でよかった。
ふふふ…俺、結婚したら、太りそうだ。」
佑樹が、嬉しそうにそう言うんだ。
「誉めてもらって光栄だよ。だけどな、作れるのは、当たり前だと思うぞ。
私は、お前の嫁になるんだから、家事くらい出来んと、笑われる。」
「そういうもの?」
「ああ、そういうものだ。」
「もし出来なかったら、どうするつもりだったんだ。」
面白がって、佑樹が聞いてくる。
「そんなの簡単だ。食べるものは、美味しい惣菜が山ほど売ってるし、最悪、外食すればいいだけだ。洗濯だって、クリーニングに出せばいいし、掃除も、ハウスクリーニングを頼めばいい。
でも、そんなのばかりに頼るようじゃ、大人の女として失格だと思わないか。
私は、一通り出来て、当たり前だと思うがな。」
「さすが、夏蓮だね。俺、結婚相手が、夏蓮でよかった。」
「後な…好きな男のためなら、女は、出来ないことでも、努力して出来るようにするもんなんだ。」
真っ直ぐ佑樹を見て、私は、言ってみた。
「俺、惚れられてます?」
「…あ、当たり前のこと聞くな!…ほ、惚れてなければ、努力などしない!」
本当に、何を考えてるんだ…佑樹は。私がなんで、狼狽えなくてはならんのだ。
「可愛いなぁ、そういう顔の夏蓮も、とってもいいよ。」
私は、なんだか気恥ずかしくなって、何も言えなくなってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!