1.絶世の美女?とちんちくりん

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「楽しいお店?」  もう一人のオタ友と首を傾げながら聞き返す。  恵里菜が言うには、がっつり夜のお店だけど別にお酒を飲まなくても雰囲気を味わうだけでもいい。何より、 「うちの大学で超絶美人で有名な先輩が働いているんだよ~」  だそうで。私はその手の話題に全くもって興味がないから有名と言われたって、ね。  とにかく楽しいから行こう、と満面の笑顔でお誘いを受けた。でも、 「あの……私、場違いじゃないでしょうか?」  そう、今日もグレーのパーカーにジーパンと相変わらずの地味な格好。プラス化粧っ気ゼロ。  多分華やかでキラキラまばゆい世界。そこに飛び込むなんて初期装備で最終ダンジョンに潜るようなもの。  入ってすぐ瞬殺されるのは明白。ここは丁重にお断りすることにしよう。
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