1.絶世の美女?とちんちくりん

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 そうしようとした瞬間、キャンパス内を闊歩していた足が止まった。  嫌な予感しかしない……それは見事なまでに的中。  こちらに振り向き、真っ直ぐ前を見ていたその目は私の方へ。 「……あ」  瞳までもが美しい……じゃなくて。  ヤバイ。恐らく私の姿は視界に入っている。そう思ったら血の気が一気に引く。  こうなったら、やることはただ一つ。 「恵里菜さん……」 「はい?」 「私、勝手ながら敵前逃亡開始いたします。再会は講義の時で。それじゃ」  低音かつ小声で一緒にいた友人に告げる。敬礼ポーズという余計なアクション付きで。  そして、直ぐ様走る構えをとり、脳内でよーいドンとスタートの合図をしてその場を走り去った。
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