1.絶世の美女?とちんちくりん

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……ところが。 「……あれ?」  一、二歩進んだだけでその場から動けなくなってしまった。  プラス、首根っこを掴まれているような感覚。恐る恐る後ろを振り向くと。 「つーかまえたっ」  不敵な笑みを浮かべたあの人が私の着ているパーカーのフードをがっしり掴んで立っていた。  ヒールのある靴を履いているのに数メートル先にいた私の元にそれこそ秒の速さで来るとは。  まるで獲物を見つけた肉食動物。まぁ、エモノとケモノで間違いないけれど……。  とにかく、もう逃亡することは不可能。ギリギリと音がしそうなくらいに掴んでいるし。脱ぎ捨ててもいいが後が恐ろしい。  フード付きの服を着てきた自分を呪うしかない……ああもう、私のバカ。
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