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後悔にまみれた私とは対称的に。
獲物を捕まえて喜びでいっぱいの美しい人。背景に花まで散らして。
その美しい人、フードを掴んでいた手を今度は私の体に触れさせそのまま自身の体に引き寄せた。
そして後ろからギュッと抱き締める。完全に体をホールドされた状態。そこへ、
「……アタシから逃げられると思ってんの?」
「ひっ!!」
低音の、ドスを効かせたような声。強烈で、足どころか全身すくみそう。
女の人の低音なら比較的まだマシなのかもしれない。怖いには怖いだろうけど、ここまでではないと思う。
だけどこのお方、ただの美しい人ではないのです。
そう、上條レンさん、実は……『男性』。所謂『おネエ』の人。
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