杉本彗の告白~宮野さんは今日も困ってる~

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「……私は先生のこと、好きになります」 自分を守るために、そんなことを云う宮野が悲しかった。 けれど俺もそれに縋った。 失うよりも側に置いて守る方がずっといい。 たとえ、そこに気持ちなんてなくても。 宮野に抱かないのか聞かれたが、抱く気などさらさらなかった。 そういうことは、宮野が本気で好きになったやつとするべきだ。 こんな、仮の関係ではなく。 なのに泣きそうな顔でさらに続ける。 「やっぱり私は穢れてるから嫌ですか……?」 腹の底まで重く沈んだ言葉。 口先だけできれいだとは云えなかった。 抱いて欲しいかと問えば、首を横に振る。 なら抱かないだけだと答えると、安心したかのように頷いた。 抱いて欲しいと請われればきっと、なにもかも忘れるほどに抱いただろう。 それが、宮野の望みならば。   夜中、悲鳴……というよりも絶叫で目が覚めた。
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