40人が本棚に入れています
本棚に追加
ただ甘やかされ、依存して生活していたのに、自発的に勉強などするようになった。
食事もきちんとするようになってきたし、表情も少しずつ、生きたものに変わってきた。
夜中の悲鳴だけは止まらなかったが。
そして再び登校した日。
今度は大塚と仲直りしたようだったし、ぎくしゃくしていた明石との関係も、少し戻ったようだった。
……もう、この生活も終わり。
家に帰そうとすると云われた。
――先生はひとりで大丈夫ですか。
痛いところを付かれた気がした。
宮野はきっと、ずっと俺があいつと重ねてみてたこと、知ってたんだ。
けど、もう宮野はあいつじゃないことはわかってた。
一緒にして考えるなんて間違えてるって。
「ごめんな、宮野。
俺の勝手に付き合わせて」
宮野がじっと、俺の顔を見つめる。
最初のコメントを投稿しよう!