39人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
そのせいで明石とも長く続かなかったし、その後の人生もうまくいかない、と。
たまらなくなって口付けると、あのころのように求めてくる。
けれど押し倒すと、怯えた顔で見られた。
「嫌なら、しない」
離れようとすると腕を掴んで引き留める。
「いいんです。
あのころよりもっと汚れた私で先生がかまわないんだったら」
すーっと表情が消えた宮野に悲しくなった。
離れると泣きそうな顔で俯いた。
「……やっぱり私は穢れてるから嫌ですか」
あのときと同じ言葉に泣きたくなる。
「ばーか。
泣いてる女とヤったって後味悪いから、ヤらないだけだ」
ぽろり、宮野の目から涙がこぼれ落ちる。
ぽろり、ぽろり。
零れ落ち続ける涙に、ぎゅっと宮野を抱きしめた。
最初のコメントを投稿しよう!