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――明るい日射しが窓から入り込む、僕はその光に目映さを感じながら上体を起こし、微睡む視界に手で眼を擦りながら起き上がった。同時に欠伸をして目を開けると、そこには殺風景な草原が無限に続いている光景が映る。思わず驚き、焦る様に僕は辺りを見渡す、すると目の前には見知った顔の少女が立ち尽くしている事に今し方気付いた。
(えっ、さっきまで居たっけ?)
幼なじみの彼女は、呆然と、変わり果てた世界を見遣っていた。僕はその背に向かって手を伸ばす、刹那に、一陣の如く吹く風と同時に少女は消えて行く。軈て場面は変わり、秋桜の花を手に、少女は墓に其を手向けた。
あぁ、そうか、僕は。僕は、死んだんだった……。
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